芒種
6月に入り、
空気にも少し湿り気が混じり始める頃
6月上旬~下旬にかけては、二十四節季の九番目「芒種」。
稲や麦など穂先に「芒(のぎ)」がある穀物を植え付ける
初夏の節目の時。
この頃から雨が増えてくると言われています。
人間の身体にも水や湿度がたまりやすくなるこの時期。
慣れない暑さも相まって
なんとなく、だるーくなりますが、、、
そんな時でも
しゃんと背筋を伸ばし、美しく咲く
「花菖蒲」の季節がやってまいりました…!
"優美"な花姿とはまさに。
上品でそのしっとりとした風情が魅力です。
日本庭園の花しょうぶ田では、
100品種、約13,000株の花菖蒲が咲き誇ります。
現在「咲き始め」
品種によっては美しく「見ごろ」を迎えています。
植栽地の間の水路には
設備状況により水が張られていない日もあり、
「お花枯れちゃいませんか?」
と心配されるお声をいただくこともありますが、
大丈夫です!
そもそもハナショウブは
乾地・湿地のどちらにも対応できる植物。
よく似た花に「アヤメ」「カキツバタ」がありますが、
乾いた陸で育つのが「アヤメ」
湿地や浅水池で育つのが「カキツバタ」
ハナショウブはちょうどその中間なのです。
(※水路は水が張られていない日でも立ち入りは禁止としておりますのでご注意ください)
よくいただくご質問シリーズ(?)でもう一つ。
Q. 花菖蒲は"しょうぶ湯"の時期だから、端午の節句の頃に咲くのですよね?
A. しょうぶ湯の「ショウブ」と「ハナショウブ」は別物です。
ショウブはショウブ科、ハナショウブはアヤメ科に属する植物ですが、
ハナショウブの葉がショウブの葉と似ており
美しい花を咲かせることから
「花菖蒲」と名付けられたと言われています。
ショウブは
花しょうぶ田にも植栽がありますので、
是非、見比べてみてくださいね。
しかしこのハナショウブ。
江戸時代から盛んに改良され、現在までに様々な品種がありますが、
名前が難しい・・・
こちらは正解は
「もやまぞら」
これはなかなか読めませんね。
他にも、
「藤の襲(ふじのかさね)」「松籟(しょうらい)」「新峰紫(しんみねむらさき)」など…
常用漢字でないものや、
そう来ましたか!というものなどなど。
これはなんて読むのかしら…?
などと考えながらの鑑賞もまた楽しいのでオススメです。
日本庭園の正門入ってすぐのところでは、
「花菖蒲展示会」も開催中。
現在咲いている花菖蒲の一部を展示しております。
あわせて、
写真展示もしておりますので
花しょうぶ田を見られる前やお帰りの際に
是非お立ち寄りください。
「花菖蒲相談所」も開設します!
こちらも是非お立ち寄りくださいませ。
さて、話は少し遡りますが
5月の末に開催しました
「銘木クロマツ緑摘み 見学会」
日本庭園のランドマークでもある、銘木クロマツ。
出雲地方に伝わる独特の剪定方法でもある「緑摘み」によって、
後世にその姿を伝え続けるため
毎年この時期に見学会を行っております。
揃いの法被を着て
剪定作業を行うその姿も
この時期の日本庭園の風物詩と言われているとか、
いないとか。
ご参加いただきました皆さま、ありがとうございました!
はす池では
ハスの葉もしっかりと茂り始めています。
いよいよ梅雨入りも間近。
今年の夏も暑いんだろうなぁ・・・・・・
と既に心折れてしまいそうですが、
皆さまどうぞお身体にはお気を付けて。
この時期ならではの日本庭園の風情を
お楽しみください。