腐草為螢

梅雨入りの時期、


湿度を帯びた草むらでは、ホタルが静かに羽化し、

夜の空へと舞い始め、

紫陽花が最も美しく咲き誇る頃。


今は、二十四節季の『芒種』。

七十二候では次候にあたる、

『腐草為螢(くされたるくさほたるとなる)』と呼ばれる季節。


木々も若葉と青葉が混じり、

新緑からすっかり深緑の季節に。



この時期の見どころのひとつ、

日本庭園の花菖蒲。


花しょうぶ田では、

今年も華やかな風景が広がっています。




約100品種、約13,000株。

しっとり、艶やか。


しとしと雨が降り注ぐ中でも、

カンカン照りの向夏の暑さでも、


どんな天候でも厭わない。


落ち着き払った美しさがあります。




『いずれ菖蒲か杜若』

という慣用句。


これは、どれも魅力的で素晴らしく、

甲乙つけがたいものに対して使われますが、


「どちらの花も美しく、見分けがつかないこと」に由来するもので、


5~6月頃とほぼ同時期に咲き出す、

「アヤメ」「ハナショウブ」「カキツバタ」は

非常に見分けがつきづらいもの。


以前、生育地の違いについては触れましたが、


その他の見分け方としては、

「花びらの模様のちがい」があります。


アヤメ類の花弁は、

外側の大きな「外花被(がいかひ)」と

内側の小さな「内花被(ないかひ)」で構成されていますが


この外花被に「黄色の模様が入るもの」がハナショウブ、

「白色の模様が入るもの」がカキツバタ、

「網目模様が入るもの」がアヤメ、

なのです。


違いを知ると「意外と簡単!」と思うのですが、


不思議なもので、来年また花の季節になると、


「ええっと…これはハナショウブ?それともアヤメ??」

と、きれいさっぱり忘れてしまうのです。



さて、話題を戻しまして、


今年も日本庭園正門にて、

6/9(火)まで花菖蒲展示会が開催されました。


いつもと少し展示方法を変えて、

より自然に近い形に、よりフォトジェニックに。


色とりどりの花を寄せて、菖蒲田を再現。


足を止めてご覧いただいた皆さまに、

ハナショウブの魅力をより身近に感じていただけていましたら嬉しく思います。



そして、少し遡りますが、

銘木 黒松の「緑摘み見学会」と「緑摘み技術講習会」が今年も開催されました。




樹形を整えるため、

この時期に新芽を摘む「緑摘み」。


職人技を来園者のみなさまに公開する見学会と、


実際に管理を行う職人の技術向上を目的とする技術講習会。



伝統的な技法が継承され、


定期的な講習会で

さらに磨きがかけられることにより、


これからも日本庭園の景観は守られていきます。




見学会にご参加いただきました皆さま、

ありがとうございました!



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春の訪れに心をほどいたと思ったのも束の間、

季節は静かに歩みを進め、


気がつけば今年も折り返しの時を迎えようとしています。



6月も中旬に近付き、

ハナショウブの凛とした姿に見惚れているうちに、

気づけばハスがそっと開花の時を迎えていました。


いつの間にか、はす池は青々とした葉で埋め尽くされていて、

季節の歩みの早さに驚かされながらも、


見渡せば、眩いほどの赤色のザクロがきらりと輝き、


鼻をかすめる高貴な香りに振り向けば、

純白のクチナシが満開に。



見上げれば、


大きなネムノキもまた、


いつの間にかふわふわとした羽根のような花をたくさんつけ、

季節の進みを教えてくれます。



夏の気配を感じずにはいられない今日この頃。


今年もまた暑い夏がやって来るのだろうなと思いながらも、

季節が移ろうこの時期ならではの景色に心が和みます。


本格的な夏を迎える前に、

ゆっくりと日本庭園内を散策しながら、


初夏から夏へと移り変わる自然の表情を楽しんでみてはいかがでしょうか。








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